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【第4章】逃避行先で見つけた幸せな働き方と今の自分に足りないもの

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【第4章】逃避行先で見つけた幸せな働き方と今の自分に足りないもの ← Now!
現実逃避の末に…

そんな現実逃避みたいなことを考えていた時、地方のある都市が1カ月間の移住体験をしてくれる人を募集しているという情報を偶然キャッチしました。
なんでも、移住してそのまちの仕事を体験してみたり、暮らしの様子をブログにアップしてまちの魅力をPRしたり、という企画らしい。
しかも移住の間に住む家がなんと築100年を超える町家なんだとか!!
町家に住める!?
普通に暮らしていたらそんな経験はそうそうできたもんじゃありません。
古い町並みや伝統的な建物が大好きな私はこれで応募を即決しました。
といっても私一人だけ移住するわけにはいかないので、家族全員が1カ月間その地域で暮らすことになります。
普通なら仕事のことを考えると無理だったと思いますが、この時ちょうど夫は無職。
どこで暮らそうと制約がありません!なんてラッキー!
ちなみに夫の鬱はほぼ完治していましたが、少し立ち止まって働き方・生き方を改めて見直すために、しばらく就職はしないことにしていました。
完全な無職ではなく、おもしろそうな単発のバイトを見付けてきてはヒョイと稼いできてくれる状態。
(あとで聞いた話では同業他社からの転職の勧誘は度々あったらしいですが、全て断っていたそうです。)



と夫婦で笑い合いました。
そして実は私自身も育児休業中だったので、これで夫婦ともに会社の心配はいりません。
リフレッシュも兼ねて町家暮らしを満喫しようということになりました。



こうして応募した結果、移住者として選ばれて1カ月間の町家体験が実現することに!
ちなみに選考の際は書類審査や面接がちゃんとあったんですよ。



いざ1カ月の逃避行!
移住中のマイホームとなったのはこんな感じの町家です。素敵すぎるでしょ!?
こんな素晴らしい建物に住まわせてもらうなんて普通なら絶対にできません。
古い建物マニアの私にはそれだけでも十分すぎる幸せな体験でした~!
ですがそれ以外にも、1カ月の移住期間でたくさんの収穫があったんです。
逃避行先で見つけた理想的な働き方
そのひとつが自分のスキルが必要とされる感覚を得られたこと。
そしてそれが仕事につながるんだ!という確かな実感が持てたこと。
仕事の本質は価値提供である
移住期間中は家族の誰かが地域で仕事(地域の人のお手伝い)をすることが条件だったので、それは夫が担当してくれました。
私は基本的に好きなことができたので、地域のおもしろそうなイベントなどには積極的に参加することに。
すると、それらを通してたくさんの人と知り合うことができたんです。
そうしてできたつながりの中で、相談や頼み事をされる機会がだんだんと増えてきました。
たとえば…
- うちのまちってよそから来た人が見たらどんな感じ?
- 家の改修はどうしたらいいかな?
- PCの使い方を教えてほしい~
- 次のイベントのチラシを作って!
- うちの店をブログで紹介してくれる?
- 今度まちあるきをするからスタッフとして町並み案内をしてほしい!
こんな感じです。
ひとつひとつは些細なことですが、どの人も純粋に私が持っているスキルを必要として頼ってきてくれたってことですよね。
「母親」と「会社員A」という役割の往復に息が詰まっていた私にとって、それはとても新鮮な感覚でした。



自分を頼ってもらえること、それに応えられること。
そして価値を提供する代わりに報酬をいただけること。
(その時は育休中だったこともあって実際に報酬をもらうことはありませんでしたが)
これって仕事の本質に限りなく近いと思いませんか?
家族も幸せになれる仕事
さらに私が心惹かれたのは、この働き方は仕事量や時間も自分でコントロールできるということ!
当時、私が閉塞感を抱いていた原因は主に4つありました。
- 自分の抱く信念と実際の仕事内容が違い過ぎること
- 収入を優先して働き過ぎると家族がギスギスした関係になること
- 家族との時間を大切にしようとすると収入が減ってしまうこと
- 自分と向き合う時間的余裕が少ないこと
その結果として、家族や自分を追い込んでしまったことは前章でも話した通りです。
夫を鬱病にするなんて相当ですよね…。



妻や母は自己犠牲の上に成り立っているという考えもありますが、私がそれをやってしまうと結局我慢できなくなるんです。
となれば、家族を幸せにするためにも、まずは自分が幸せになって気持ちにも余裕のある状態にする必要がありました。
そこで逃避行先の移住体験で出会った、
建築士として会社に勤めて仕事をこなすのではなく、自分が求められている場所を見つけて価値を提供していく働き方
これなら、収入以外のもやもやの原因は取り除くことができると考えました。
結果として、家族と向き合う時間も取れるし自分自身も充実した生活が送れます。



収入面での課題は残りますが、目の前がパッと明るくなった気がしました。
建築士という資格の社会性
当時は2級建築士だったのですが、移住体験中にその資格の威力を実感した出来事があったのでご紹介したいと思います。
国家資格の威力!?
まちの人たちにとって県外から移住してきた私はよそもので、最初のうちはかなり警戒されていたというか「いったい何者なんだ?」と思われていました。



初対面のまちの人たちは、何気ない世間話から始めて探りさぐりこちらの情報を得ようとしてこられます。笑
そしてある程度したところで「お仕事は何を?」と聞かれる確率が高かった!
そんな時にはあまり深く考えずに「建築士の資格を持っているので、建築関係の仕事をしていますよ~」と答えてたんですね。
すると!相手の警戒心が解けたのがすぐに分かりました。
「それはすごいねぇ!」と一気に声のトーンが上がったんです。
それも1人だけじゃなくて何人も同じようなことがありました。



これがもし建築士の資格を持っていなかったらどうでしょう?
なんかよく知らん若いやつが子どもを連れて移住してきて、日中ずっとフラフラしてる。しかも仕事を聞いてもよく分からん。
あやしすぎる~!!ってなりますよね。
資格は名刺代わり
それまで私自身は建築士という肩書自体には無頓着だったんですよね。(まわりにたくさんいいますし)
ですがそこで初めて、資格というのは相手を安心させてあげるためのツールだったんだなと気付きました。
つまり、相手にとって資格は信頼度をはかるためのモノサシ。
資格を持っていない人よりも2級建築士の方が信頼されて、2級建築士よりも1級建築士の方がより信頼されて、というイメージです。
私のように型にはまらない働き方をしたい人にとって、資格を持っているというのはとても重要になってくるなと強く感じた出来事でした。



この後で一級建築士の資格を取ることになるのですが、それを決意したのもこの時の実体験がきっかけです。
さぁこれからどうする!?
自由に働いていくには、やはり会社に所属していることがネックでした。
会社員は仕事内容もさることながら、勤務日数や勤務時間もすべて決められています。
だから約1カ月間の移住体験を終えてもとの暮らしに戻ってきたタイミングで



そう、夫に相談しました。
少し驚いてはいましたが「ちゃこはそっちの方が向いてると思う」と応援してくれました。
しかし!その時に夫が提示してきた条件が
今までと同等かそれ以上に稼ぐこと






好きなことだけやっていればどんどんお金が入ってくるなんてことはあり得ません。
失敗したら家族を幸せにするどころか一家が路頭に迷います。
どうやって収益化するか、しっかりと戦略を立てる必要がありました。
理想なのは、建築士としてのスキルをベースにしつつ、そこに自分の好きな分野を組み合わせていくこと。





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