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【製図】弱点は宝の山!KSFを見付けて作図時間を短縮しよう♪
みなさん、製図試験対策頑張っておられますか?
今日は製図試験の中でも「作図」について話をしていきたいと思います!
やみくもにトレースの練習だけやっていてもなかなか作図時間は縮まりません。
だから作図でもやっぱり戦略が大事♪
この記事を読んで作図時間を短縮するための考え方を身に付けましょう!
製図試験は1つのプロジェクト
まず最初に少しビジネスの話をさせてください!
ビジネス用語でKSFというものがあります。
key success factor=成功の鍵となる要素
これはつまり、事業を成功させるために重要な要因のことです。
企業はさまざまなデータを分析して自社のKSFを見つけ出し、それをもとにして経営戦略を練ります。
だから企業の経営にとって、KSFを把握することはとても重要!
KSFの厳密な定義はやや異なるかもしれませんが、ここはビジネスの講義ではないのでだいたいの意味が分かっていただければ大丈夫です。
製図試験をプロジェクトだと考えてみてください。
一級建築士の製図試験は、次の3つの小さなプロジェクトが集まったもの。
- エスキス
- 記述
- 作図
これらが集まった「製図試験」というものを成功=合格に導くためには、それぞれの要素を細かく分析して常に改善を重ねていく必要がありますよね。
これは企業の経営ととてもよく似ています。
だから先ほどのKSFという考え方が使えるんです!
作図というプロジェクトを成功に導くための重要な要素は何か?と考えてみましょう!
作図におけるKSF
作図の成功とは時間内にミスなく図面を描き上げること。
作図にKSFがあるとすれば、それを見つけ出すことで時間短縮を図るための具体的な戦略を考えることができます。
ここで、製図試験の時間配分について考えてみましょう。
- エスキス:2時間
- 記述:1時間
- 作図:3時間
- 見直し:30分
ただし、近年はエスキスの難易度が上がっていることから、エスキスにしっかりと時間を割けるように指導するケースも増えてきています。
そうするとだいたい以下のようになりますね。
- エスキス:2時間30分
- 記述:1時間
- 作図:2時間30分
- 見直し:30分
こうして考えると、多くの方が作図を2時間半~3時間で終えることを目標に頑張っていることになると思います!
ちなみに、私がおすすめしている海豆研究所さんの光速作図法も2時間間作図を目標にしておられます。
マネしてやってみましたが、私は2時間はちょっと無理でした。笑
2時間30分が限界でした。
多分、特に工夫せずに普通にトレースして描くと4~5時間かかってしまうでしょう。
そこを3時間切るペースで描き上げられるようにするためには、重要になってくるポイントがあるのです。
それこそが作図におけるKSFです!
あなたの弱点がKSFになる!
あなたは作図における自分の弱点が分かっていますか?
実はそれがそのままKSFになるんですよ!
作図に時間がかかってしまう人は、どこかで何度も間違えたり行き詰ったり、何かしらスムーズに描けていない部分があるはずです。
そういうものをボトルネックと言います。
目的を達成する際にマイナスの影響を与えてしまっている部分のこと。
全体の作業工程のうち、処理能力や容量などが1番低い部分を指す。
たとえば、ある生産業務が5つの工程から成り立っていたとして、その中で生産能力が低いものや時間がかかっている工程がボトルネックとなります。
ボトルネック=手が止まっているところ・時間がかかり過ぎているところ、となりますので、それを改善すれば作図時間がぐっと短縮できる可能性があります。
よって
現状のボトルネック=KSF
となることが多いのです。
弱点が宝の山になる♪
いま作図スピードが遅くて心配になっている人も落ち込まなくて大丈夫!
自分のKSFがしっかり分かりさえすれば、あとはそこを改善していけばいいんですから。
つまり、弱点は宝の山です!
自分の弱点・KSFが分かっている人は、そこをしっかり対策していきましょう!
問題は弱点がよく分かっていない人ですね。
その場合はまずそれを見付けるところから始めましょう!
KSFの見つけ方
KSFを見付けられれば、作図時間を大幅に短縮できることが分かりました。
それでは具体的にKSFを見付ける方法をお伝えします♪
- 目標時間を決める
- 実際にかかる時間を測ってみる
- 特に時間がかかってしまっているところを探す
この3ステップを使うと簡単に見つかりますよ。
①目標時間を決める
まず、目標となるタイムスケジュール(時間運び・時間配分)を決めて表を作りましょう。
こういうものです。
時間配分の一例(私の実際のタイムスケジュールではありません)
タイムスケジュールといっても初受験生は何を描くのに何分かかるかってイメージしにくいですよね。
そういう場合は、SNSなどで自分のタイムスケジュールを公開してくださっている方がたくさんいらっしゃいますので、そういったものを参考にすると良いと思います。
私のタイムスケジュールも今度公開しますね!
何回かその通りにやってみると、「ここはもっと時間がかかるな」とか「この部分はもっと早く描ける」とか、自分に適した時間が分かってくるようになります。
既に自分のタイムスケジュールが決まっている方はそれを使ってくださいね。
②実際にかかる時間を測ってみる
次に、それぞれの工程ごとに時間配分通りに作図できているかどうかをチェックしていきます。
時間を測るのがちょっとめんどくさい(というかうっかり記録を取るのを忘れる)のですが、今後のデータになりますのでしっかり把握しておきましょう!
先程作った一覧表に実際にかかった時間も書き込めるようにしておくと使いやすいと思います!
こんな感じで欄を作っておくと記録が楽です
通しで作図できる場合はそれで良いですが、通しの時間が取れない場合は数日かけても大丈夫です。
それぞれの工程ごとの時間が分かればOKです!
③特に時間がかかってしまっているところを探す
すべての工程の時間が把握できたら、最初に自分で決めた時間を著しくオーバーしてしまっているところを探しましょう。
オーバーしてしまっているものすべてではなく、著しくオーバーしているというのがポイント。
つまり、それを改善できれば大幅な効果=時間短縮が狙えるということです!
例えば、外壁・窓の作図時間を「15分」としているのに実際は「30分」もかかっているとしたら、それがKSFですね。
ですから壁・窓をスムーズに描けるように重点的に練習していくということになります。
KSFを探すときのポイント
1度に見つけるKSFは2~3個までにしよう
最初の頃は、目標タイムをオーバーしてしまう箇所がたくさん出てくるかもしれません。
まだ作図に慣れていないので仕方がないですよね。
そういう時は、すべてをKSFにするのではなく2~3個までに絞りましょう!
一度にいくつも挙げると大変になります。
ポイントは、先ほども述べたように「著しくオーバーしている」部分にすること。
何度も繰り返してブラッシュアップさせよう
KSFを探すのは1回限りのことではありません。
最初に見つけた2~3個のKSF=弱点をクリアできたら、タイミングを見てまたKSF探しをやってみましょう。
何度もこの手順を繰り返すことで、どんどん自分の作図をブラッシュアップしていくことができます!
KSFの実例(ちゃこの場合)
最後に、私・ちゃこが受験生だった頃はどういう工程をKSFにしていたのかご紹介しておきますね。
参考になればと思います!
KSFの例①:柱位置
柱位置って重要ですよね。
これを違えてしまうとかなり大幅なタイムロスになります。
それに柱の作図はかなり序盤なので、ここでミスすると焦ってしまって後々の作業に悪影響を及ぼしかねません。
ですから、柱位置のミスは絶対に避けねばなりませんが、何故か私は度々これをやらかしてしまっていました。
このように何度も間違いそうになる工程もKSFと言えます。
そこで、柱位置を確実にかつ早く作図するための方法を考え、いろいろ試してみました。
白紙の状態から柱を描くというところまでを何回も練習します。
柱を描くところまでなら10分前後でできますから、ちょっと空いた時間に練習が可能です。
KSFの例②:コア
次にコアの作図ですね。コアとは階段やらEVやらのこと。
これは慣れていないとどうしても時間がかかってしまいます。
なーんかややこしそうで嫌ですよね。笑
コアの描き方はいくつかパターンがあります。
だからそれさえ覚えてしまえば、あとはそんなに難しくありませんでした。
それを知らなければ時間がかかりすぎてボトルネックになってしまいますが、知っていれば大丈夫。
方眼ノートを使ってチマチマと練習を続けて弱点克服しましたよ♪
KSFの例③:断面図
私が1番嫌だったのがこの断面図…。
最初の頃は30分では描き終わらないし壁の位置はズレてしまうし、もう散々でした。
平面図から頭を切り替える必要があるので、なんだか苦手意識があって…。
これじゃいけないよな~と思い、9月後半ついに重い腰を上げて断面図対策に取り掛かることに。
すると結果的に作図短縮に1番効果が高かったのがこのKSFでした!
断面図は最初から苦手だったのに対策を先延ばしにしていたのでもったいなかったです。
だからみなさんには、自分が苦手だな、嫌だなと思って敬遠しちゃっている部分から対策を始めることをオススメします!
そういうものが特に大きなお宝に化ける可能性大です♪
何より、ちゃちゃっと片付けちゃう方が気持ちが楽になりますよ~^^
まとめ
なるべく毎日通しトレースをしようと頑張っておられる方がたくさんいらっしゃると思いますが、全体で何時間かかったかよりもどの工程で何分かかっているかを把握する方が重要です。
細かく分割して考えることで分析がしやすくなりますから^^
まとめると、作図のKSFになるのはこういう部分です!
- 実際に時間がかかってしまっている部分
- 何度も間違えそうになる部分
- なんとなく苦手意識があって放置している部分
こういったものはしっかり対策すればお宝になりますよ~!
製図試験はプロジェクト。
あなたのプロジェクトを成功まで導けるのはあなただけです!
苦手な部分を見て見ぬふりするのではなく、「弱点は宝の山♪」だと思って大事に扱ってあげましょう!
コメント
コメント一覧 (2件)
KSFの助言は、「目から鱗」です。早速実施させて頂きます。貴重な体験誠にありがとうございます。
AKIRA OONO様
この度はコメントありがとうございます!
しばらくブログ更新できておらずにお返事遅くなってしまいました
申し訳ございません。
お役に立てたみたいで嬉しいです(*^^*)
KSFの考え方は何にでも応用できるので、ぜひいろいろな場面で使ってみられてください♪
管理人:ちゃこ