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製図試験|本番までの勉強スケジュールと振り返って分かったこと
一級建築士の学科試験に合格した時のスケジュール記事は作ってたのですが、製図の方がまだでした。
学科はこちらから↓
ということで、今回の記事では私が製図試験対策に取り組んだ時の実際のスケジュールについて書いていきます!
ただし…
正直に言うとスケジュールはそこまで参考にならない気がするので飛ばしてもらっても構いません(^^;
その代わり最後の「まとめ」には、製図試験を振り返っての気付きを書いているのでチェックしてみてくださいね!
ちゃこの実際のスケジュール
決して理想的なスケジュールというわけではなく、私が何月にどういったことをしていたかの記録です。
学科試験まで
学科試験が終わるまでは、製図試験対策は一切やってませんでした。
学科試験終了後
試験当日の夜、すぐに資格学校の採点サービスを利用。
合格ラインに達していることが分かったので、うえーーーーいとなる。
「次は製図か、さすがに製図で独学は厳しそうだな」と思いつつ…結局は仕事やら何やらでバタバタしていて何もできないまま7月が終わりました(^^;
8月
資格学校は最初から候補から外していたので、それ以外の通信講座を調べ始めます。
主な理由は、資格学校が近くになかった&あんまりお金をかけられないという気持ちが強かったからです(^^;
ネットで口コミを調べまくった結果、以下を利用することに決めました!
- 海豆研究所さん
- ウラ指導さん
作図
まずは海豆研究所さんの光速2時間作図法を購入して1度視聴してみました。
(海豆研究所さんよりお借りしています。クリックでサイトへ飛べます)
動画を見た結果…
なんか簡単そうに描いてるからすぐできるようになるかな?
↓ 実際に描いてみる!
6時間経っても描き終わらないので途中でやめる。笑
(このまま最後まで書いても何にもならないなと判断)
目指すべきゴール(2時間で描き上げるスピード)と自分が立っている現在地(今の実力)、この2つをしっかりと確認しました。
これで作戦を立てることができます!
エスキス
海豆研究所さんのトレース・エスキスをダウンロード。
(こちらも海豆研究所さんよりお借りしています。クリックでサイトへ飛べます)
まずは資料を読み込んで、各手順の意味と流れを理解します。
併せて、ウラ指導さんの講座は後半戦フルコースというものに決定。
ウラ指導さんの講座は毎年人数制限があって、一定の人数に達すると締め切られてしまいます。
気になる方はお早めに検討されることをおすすめします。
ウラ指導さんのサイトはここからどうぞ。
講座自体は8月上旬に申し込んだもののしばらく何も取り掛かれず…。
8月最後にようやく課題を1つ提出しました。
ウラ指導では5課題あるのですが、なんと1課題目は提出期限に間に合いませんでした(泣)
2課題目にして初めての課題提出!(しかも提出期限ギリギリ)
記述・他
作図・エスキス以外でやったことと言えば、過去問をひと通り確認することです。
(過去問資料はウラ指導さんのパックに入っていました!)
すべてプリントアウトしてA4ファイルに挟んで、いつでもチェックできるようにしていましたよ。
学科試験の時もそうでしたが、製図試験においてもやはり過去問はとっても大切です。
なぜなら、過去に実際に出題された問題だから。
相手(試験元)が何をどのような形で要求してくるのか、すべてそこに書いてあります!
そういえば後から知ってビックリしたのですが、資格学校に通う生徒さんで過去問を見たことがない人が結構いるとか!?(その当時の話なので今は違うかも)
敵を知らずして戦えるのだろうか!?と思ったのですが、そのあたりは資格学校でうまく対策してくれるのでしょうか?
もしも、いま製図試験対策をしている方で「過去問を見たことがない」という場合は、何らかの方法で絶対に入手しておくことを強くオススメします!
直近7年分であれば、建築技術教育普及センターのHPからダウンロードできますよ^^
9月前半
実りの秋。あっという間に9月突入です。
9月は前半と後半で分けて書いていきますね。まずは前半から。
作図
作図対策を本格的にスタートさせたのが9月に入ってからです。
具体的には
- 光速2時間作図法を見ながらパーツごとの描き方を学ぶ
- パーツごとに分けて練習を始める
といった感じ。
他の人の勉強と比べて特徴的なのは、通しトレースの練習はまったくやっていないことだと思います。
ひたすら細分化して対策していきました。
お手本となる図面を用意して、それを最初から最後までA2図面に書き写すことです。
エスキス
8月のうちにトレース・エスキスの手順を理解していたので、今度は実際の課題(初見の課題)を解きながらの実践です。
やってみるとなかなか難しくて、思った以上に時間がかかってしまうところが出てきたり、反対に「この手順って何のためにやるんだろう?」というのが出てきたりしました。
うまくできない手順は、そこだけでも良いので空いた時間を使って繰り返し何度もやってみます。
また、フリープランニングの練習も始めました(ウラ指導で言う国語力開発講座です)。
普通の課題にあるはずの「設計条件」を決めずに自由にプランニングを行って、無理のない理想的なプランを作り出す練習。
このフリープランニングがまた難しいんですよね…。
やったことがある方は分かると思うのですが、「自由に設計していい」って言われてるのに何故かなかなか綺麗な形に計画できないんです。
自分の勝手な思い込みが、理想的なプラン作りの邪魔になっていることに気付けます。
この自分の想い込みっていうのが、製図試験合格を阻む最大の敵といっても過言ではないかもしれません。
この試験では、自分が提案したいプランではなく、相手(試験元)の要求を満たすプランを作らないと不合格になります。
「自分だったらこうしたい!」とか「ここはこうした方が便利に使えるはず」みたいな、建築士だったら自然と考えてしまうことが裏目に出るんです…。
既に染みついてしまっている考え方を一旦捨て去るためにも、このフリープランニングは大いに役立つと思いますよ!
この段階でスッキリとしたものが計画できないなら、本番で「ややこしい条件を反映させつつうまく納めきる」なんて夢のまた夢…(^^;
ということで、他の人の提出図面をひたすら見て勉強しました。
記述・他
作図とエスキス以外の取り組みとしては、記述対策を始めました。
記述はだいたい同じような言い回しになっています。
記述の模範解答例をPC上で書き写して、その「記述の型」を覚えていきました。
自分で手書きするのではなくPC上で書き写していた理由は、手が疲れてしまうためです。
この段階の目的は「記述の型」を覚えること。
よく出てくる言い回しやキーワードを頭に入れていくことなので、ここで手書きにこだわって無理に手を疲れさせる必要はまだないと思いました。
もちろん本番が近くなったら手書きの練習も組み込んでいきます!
9月後半
作図
作図の対策も大詰めです。
これまで光速作図法を見ながらパーツ練習を重ねたことで、合格する図面の要素(描く必要があるもの)が分かった状態にいます。
ここで、それらのパーツをうまく組み上げられるかどうかの確認のため、初めてA2の通し作図を行いました。
ということで、引き続きパーツ練習を行います。
その他に取り組んだ作図対策として、他の人が描いた図面をたくさん見て上手な表現をマネるというものがありました。
ウラ指導さんの講座に申し込むと、他の受験生が提出した図面がすべて見られるようになるんです。
「あ、こんな感じで省略して描いてもいいんだ」ということが分かってとても参考になります!
ウラ指導さん以外でも、他の受験生の図面を見る機会がある人は積極的に活用していただくのがオススメです。
エスキス
そういえばウラ指導さんが製図試験の書籍を出してたな…と思い出し、購入しました。
↑こちらの書籍です。(当時はこれの古いバージョンでした)
ここにエスキス手順が載っていたので、海豆流エスキスと組み合わせて自分がやりやすように少しアレンジしてみることに。
具体的には「これ何のためにやるんだ?」と思った手順を省いた感じです。
たぶんこの部分はだいぶ個人差があると思います。
私はいらないと思った手順でもあなたには必要な場合がありますし、その逆もしかり。
こればっかりは自分で何回も繰り返しやってみて、自分流の手順を確立させていくしかありません。
ウラ指導さんの課題を解く中でアレンジしたエスキスを試してみて、その手順で大丈夫そうか確認していきました。
フリープランニングの練習もまだ続けています。
記述・他
記述対策では、引き続き模範解答例の模写を行いました。
併せて他の受験生の答案を見て、良い言い回しがあったらノートなどに書き写してストックしていくようにします。
9月の最後は、自宅にてウラ指導の模試に挑戦!
6時間半の時間がどうしても確保できなかったため、エスキスだけやって作図は後日ちょっとずつ描き上げました。
模試なので、本来はなるべく本番と同様の時間や環境に寄せるべきなのは言うまでもありません(^^;
ただ、私は模試の目的を「自分のエスキスと作図で表現するものが合格基準に達しているかをチェックしてもらうこと」に設定しました。
提出後にフィードバックをいただいて反省ができたので、個人的にはしっかり活用できたと思っています。
10月~試験本番まで
いよいよ10月。本番はもう目の前です。
作図よりもエスキスに不安が残っていたので、10月はエスキスに比重を置いて勉強しました。
作図
9月後半に続き、他の人の提出図面をたくさん見て表現の勉強を。
そしてパーツ練習を繰り返します。
エスキス
ようやく自分のエスキス手順を確定させました。
ウラ指導の課題(5課題+模試)のみを何度も繰り返し解いて、確定させたエスキス手順を覚え込ませます。
記述・他
ここにきてようやく実際に自分の手で記述を書く練習をしました。
書きなれない漢字などもあるので、そのあたりをしっかり確認しておきます。
それと!実はここまで設備がイマイチよく分からないままきてしまっていたんです。
- 空調設備(どういう場合にどの空調を選ぶのか?それをどう表記するのか?)
- PSの位置(どの階のどのあたりにいくつ必要なのか?)
などなど、このようなこと。
これについては、ノートにまとめて本番直前まで見直せるようにしていました。
迎えた本番!どんな感じだった?
ついに試験当日!ここまで来たらやるしかない!
当日の様子ですが、久しぶりに結構緊張して行きの車で胃が痛くなりました。笑
(会場に着いたら吹っ切れたので大丈夫でした^^)
エスキスはそこまで苦労することなくまとまった記憶があります!
ただしその分、記述に手こずりました。
「知らないと書けない」という問題が出ちゃったんですね。
知識をフル動員させて何とか書き上げました。
(ちなみにここで書いたことは間違っていたことが後ほど判明します。笑)
しかも!
実はこの時 妊娠していて、つわりの症状が出ている時期でした。
それなのに…お昼頃になったら近くの人がおもむろに総菜パン(?)を食べ始めてしまったんです!笑
いやその人は悪くないんですけどね!
ただ、完全にその匂いにやられた私…笑
気持ち悪くなって2回もお手洗いに行くことになってしまいました(^^;
結果、なんとか仕上げはしたのですが、作図がかなりギリギリになってしまってチェックの時間が確保できず…。
何点か書き漏れがありました。
みなさんおっしゃってますが、最終チェックの時間はやっぱり必ず必要です!!
絶対にミスや書き漏れがありますから!
このチェック時間が取れるかどうかは合否に多大な影響を及ぼします、間違いなく。
試験終了後もいろいろと細かいミスが発覚…
試験が終わってからしばらくは、自分がしでかしたミスに気付いて青ざめるのを繰り返すという地獄のような時間が続きます…笑
- 下足箱描き忘れた!
- 歩行距離描いたっけ!?!?
- 変な位置に防風林を描いてしまった!
- 太陽熱の利用方法を記述すべきところに太陽光の話を書いちゃった!!
- 補足図記入欄白紙で出したよ!?!?
などなど、冷静になって考えると「なんでよ?」みたいなことがまーたくさんありました。
ただ、ウラ指導さんのご指導のおかげでプラン自体はそこまで大幅に外れたものにはなっていないというのが心の支えとしてあったのです。
(いわゆる多数派には入っている状態)
記述で変なことを書いてしまいましたが、図面との不整合は思い出せる限りでは多分ありませんでした。
一発失格は恐らくない。あとは細かいミスがどう評価されるか?
そこはもう誰にも分かりません。
合格発表までは出来ることもないですから、ある程度落ち込んだ後はもう忘れることにしました。
合格発表!結果はいかに!?
なんやかんやしているとあっという間に12月の合格発表の日がやってきましたよ!
うわの空状態で朝の支度をしていると、そこへ親から1通のメールが。
開けてみると一言…
なんとこの年、例年よりも早い時間にネット上で合格者の発表が行われていたそうなのです!
よく覚えていないのですが、例年は午前9時にネット上で発表のところ、その年は何故か8時過ぎに発表されていた…みたいな感じだったと思います。
「そういえば今日って合格発表?」と思い出した親が何気なく朝イチでアクセスしてみると既に発表されていて…という流れでメールしてきてくれたそう。
まさか私が結果を知らないとは親も思っていなかったようです。
というわけで、親から一級建築士試験の合格を聞かされるというまさかの結末を迎えて、私の戦いは終わりました。
まとめ
現状の一級建築士の製図試験は、合格基準がよく分からないまま勉強を進めなければいけません。
「それって国家資格としてどうなの?」と思っている方もたくさんいらっしゃるはず。
ですがまだしばらくはこのままのスタイルが続きそうですので、できる範囲で最善の手を打って対策していくしかないです。
これは学科試験とは違った辛さがありますね。
製図合格のために必要なこと
合格基準はよく分かりません。
でも、要求されているものはハッキリと課題文に書いてあります。
少なくともそれらは絶対に落とさないつもりで臨むべきでしょう。
そのために必要なことが…
十分な見直し時間を確保する
前述した通り、これは絶対に外せません。
どの資格学校に通っても、どの通信講座を選んでも、どのSNSを見ても、みなさんそう言っていると思います。
ブラックボックス状態の製図試験で、つまりそれだけが不変の真理というわけですね。
すべては見直し時間確保のため
いつも決まった手順でエスキスするのも、作図のスピードを上げるのも、すべては少しでも時間を捻出して見直し時間に充てるため。
見直しこそが最重要事項!
私がそのことに気付けたのは、残念ながら製図試験が終わってから。
だからほとんどと言っていいほど「見直しの練習」ができていませんでした。
これは大いに反省すべき点です。
ですから、今これを読んでくださっているあなたには「見直しの練習」を意識して行ってほしいと強くお伝えしたいです。
どんなに早くエスキスが終わっても、どんなに綺麗に作図できても、相手が「描いて」と言っているものを描いていなければ不合格になってしまう試験ですから…。
作図のスピードが上がらずに悩んでいる人は、こちらの記事もオススメです^^
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