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試験制度を活用した目標点の決め方!全科目7割を目指す必要はない話
こんにちは!
一級建築士の田口あかね(@akane_arc)です。
「あなたにとってのベストな学習環境で最短ゴールを目指す!合格力UPプログラム」を主催しています。
先日、2カ月でも合格できますか?という質問がありました。
半年~1年かけて頑張っている人がいる中で、2カ月で合格を目指すというのは並大抵のことじゃありません。
でもやり方さえ間違えなければ不可能ではないです。
2カ月でもちゃんとやれば十分合格できます!
ただ、既にお気付きかと思いますが、みんなと同じような勉強をしてもダメですよね。
5教科すべてを平等に満遍なくやっていると到底間に合いません。
一級建築士試験は合格点に関して特徴があります。
この記事では、それをうまく活用して2カ月でも合格水準に持っていくための目標点の決め方をお伝えします!
合格点は92点に設定!
まずは合格点について整理しておきますね。
上の画像を見ていただくと分かるように、ここ10年の合格点は87~97点になっています。
平均すると90.8点です。
10年に1度くらい合格点が97点の時があって、一昨年(令和元年度)がそうでした。
基本的にこの97点というのはイレギュラーだと思って良いです。
一昨年は直近10年分(11年分?)の過去問からの出題量が半端なかったので、例年に比べると簡単でした。
そういう年はみんなの得点が高くなるので、合格点も上がります。
97点だった一昨年を除くと、合格点(総得点)は90点±4点で推移しています。
そのうち94点だったのは9年間で1度だけで、続く92点が2度。
このことから、ここでは目指すべき合格点を92点としましょう。
足切り点から考える戦略
ご存知の通り、各科目には足切り点というものがあります。
いくら総合点が高くでも、足切り点に達していない科目が1つでもあると不合格になるというあれですね。
- 計画……………11/20点
- 環境・設備……11/20点(※令和2年は10点)
- 法規……………16/30点
- 構造……………16/30点
- 施工……………13/25点
・・・・・・・合計:67/125点(※令和2年は66点)
足切り点をすべて足すと67点です。
※令和2年は66点でしたが、毎年だいたい67点なので67点で考えます。
ここから合格点の92点までは、どの科目で点を稼いでも良いということになっています!
これは当たり前の話なのですが、実は意外と盲点だった人もいるのではないでしょうか。
92点というのが全体の73%(125点×73%=92点)なので、どの教科も7割得点できるように勉強する人が多いです。
それに資格学校のカリキュラムも全教科平等に勉強できるように作られていますから、余計にすべてをまんべんなく勉強してしまいがち。
ですが本来は、足切り点以上にさえすれば、それ以外はどの科目に力を入れるかを自分で決めて良いのです!
どの科目で点を稼ぐかは自由に決められる!
92-67=25点分はどの科目で点を積んでもOK♪
だから足切り点以上になったら、全部が全部を底上げする必要はありません。
時間対効果が低い単元はそこそこにして、自分が得意な科目や点を稼ぎやすい単元に力を集中させて良いのです!
ここがおもしろいところで、受験生の個性が出てくる部分でもあります^^
合格の鍵を握るのはやっぱり法規
ここでポイントになってくるのが法規!
法規は満点近くを狙いやすい科目と言われています。
満点とはいかなくても、法規で確実に25点は取れるようにしておけば、あとがだいぶ楽になってくるんですよ^^
法規で25点取れるとすれば、合格ラインの92点までに必要なのは足切り点以外にあと16点。
各科目の足切り点に加えて、残り4科目で合わせて16点取れれば良いってことになります♪
なぜ法規で25点を目指すのか?
法規に力を入れる主な理由は3つあります。
- 配点が高い
- 過去問からの出題割合が高い
- 勉強すればするほど点数が伸びる
配点が高い
法規の配点は30点です。
計画と環境設備の20点、施工の25点に比べると配点が高くなっていることが分かります。
過去問からの出題割合が高い
20年分の過去問に出てくる法文のうち、93.6%は繰り返し出題されています。
2ヶ月で法規25点は取れるのか?
過去問20年(H7~H26の2,470選択肢)で項目ごとに1回だけ出題された法文は、(136/2,126)×100=6.4%であった(検討対象とならない融合問題を除く)。
逆の言い方をすると、93.6%の法文は、2回以上繰り返し出題されている法文であり、この確率なら過去問の学習だけで正解肢を得るのは容易である。
引用:建築資格研究会さんHP
つまり計算上は、過去問を理解できれば28点取れるということ!
(30点×93.6%=28.08点)
勉強すればするほど点数が伸びる
法規は過去問から繰り返し出題されている=出題範囲が決まっているということです。
その中でどれだけ点数を稼げるかは、問題を解くスピードにかかっています。
過去問を解けば解くほど早く答えにたどり着けるようになりますから、法規は勉強するほど点数が伸びる科目です。
他の4教科、特に計画や施工ではこうはいきません。
このように確実に点数を稼げる法規に力を入れて25点取ることで、他の4教科の難易度(負担)を一気に下げることができるのです!
あなたはどの科目を伸ばす?
足切り点から上はあなたが好きな科目で点数を積んでいくことができます。
さっき述べたように、ここからが個性が出てくる部分。
自分の知識やスキルと相談して、あなた自身に合った目標点を決めてください!
法規でしっかり25点取って、他の4教科は比較的平等に勉強する場合です。
- 計画……………足切り11点→14点
- 環境・設備……足切り11点→15点
- 法規……………足切り16点→25点
- 構造……………足切り16点→22点
- 施工……………足切り13点→16点
・・・・・・・・・・・合計:92/125点
構造系の人は構造で得点しやすいので、法規と構造で高得点を狙えればあとの3教科はほどほどでも十分に合格が可能です^^
- 計画……………足切り11点→13点
- 環境・設備……足切り11点→13点
- 法規……………足切り16点→25点
- 構造……………足切り16点→26点
- 施工……………足切り13点→15点
・・・・・・・・・・・合計:92/125点
こんな感じで、法規25点を死守できれば、他の科目はそこまで高い点を目指す必要もなくなります。
こう考えると少し安心しませんか?
途方もない気がしていたかもしれませんが、勝算は十分にありますよ^^
勉強量が減ると不合格まっしぐらですから気を付けて!
最後に、平成28年度に合格できた私ちゃこの結果も載せておきます。
私はちょっと(だいぶ?)失敗して法規の点が伸び悩んだのですが、反面教師としてでも参考になれば。
-
- 【事前知識】
- 計画:意匠系なのでわりと得意
- 環境・設備:可もなく不可もなく
- 法規:まったく分からんです
- 構造:大学で(その当時は)しっかり勉強した気がする
- 施工:未知の領域
-
- 【結果】
- 計画……………17/20点
- 環境・設備……20/20点
- 法規……………22/30点
- 構造……………27/30点
- 施工……………19/25点
・・・・・・合計:105/125点
法規の重要性に気付いていなかったので他の科目をめちゃ勉強する羽目になりました。
特に施工は勉強量のわりに得点が伸びなくて悲しみ…。
例年より簡単だったらしい環境設備に救われました!
合格したので結果オーライと言えばそうですが、施工に回した時間を法規に充てておけば、もう何点かは上がったのかなぁと思います。
とかなんとか言ってますが、100点越えを目指す必要はまったくないですよ!
私のように、あとからブログとかでドヤァできるくらいです。笑
どやぁ> (´・∀・`*) ←この程度です。笑
名刺には試験の点数まで載せませんし、92点でも120点でも一緒。
100点越えを狙うと一気に勉強量が増えて疲れるだけですので、そこにパワーを割く意味はありません。
合格することだけにコミットしましょう^^
正しいコミットの重要性はこちらでも解説してます。
まとめ
2カ月で合格するためには、普通の人以上に戦略を立てて目標点を決め、それにむかって勉強することが大事です。
試験制度をうまく活用して、自分の得意なフィールドで戦いましょう!
今回の記事で取り上げた内容(法規を重点的に勉強する話)は、建築資格研究会さんのHPでも詳しく解説されていますので要チェックです^^
建築資格研究会さんHPはこちら⇒★
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あなたの感想が聞きたいので、ぜひこの記事の下部にコメントいただくか、こちらのフォームからご意見ください^^
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今ならかなりの確率でご要望にお応えできると思います♡
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