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【法規】最新版の教材じゃなくても合格する方法|一級建築士試験
Twitterで、あるユーザーさんのこんなお悩みを見つけました。
独学受験者さんにとっては確かに気になりますよね。
私も参考書選びはかなり慎重になった記憶があります。
資格学校に通わないので、リアルにこんな気持ちに…。
ということで今回は、法規の教材は最新版じゃないとダメなのかというテーマについて考えていきたいと思います!
(つぶやいたユーザーさん、勝手に取り上げてしまってすみません。)
そりゃモチロン最新版に越したことはない
なぜなら、一級建築士の学科試験5科目の中でも、法規は段違いに変更箇所が多いから。
毎年何かしらの法令が変わっている
法規の試験範囲となる法令はかなり多岐にわたります。
根幹をなす建築基準法をはじめ、建築士法・建設業法・消防法・バリアフリー法・耐震改修法・品確法…などなど、細かいものも含めるとなんと50弱もの関連法令が!
これだけ数があると、毎年何かしらの法令の改正が行われていることは想像してもらえると思います。
主要な法令の改正に対応できないと致命傷に
そうすると、古い教材=法改正に対応できていないということなので、それをそのまま使っていると非常に危ない…。
改正されたのがマイナーな法令だった場合はほぼ影響がないか軽傷で済むのですが、建築基準法や建築士法などの主要な法令であれば、下手すると致命傷に。
例えば建築基準法で言うとここ数年は重要な改正が多く、特に令和元年には大規模木造や防火・準防火地域内建築物などの大きな改正が実施されました。
法改正の例
・用途地域の追加(平成29年6月)
⇒ 田園住居地域が追加され、12種類→13種類になった。
・老人ホーム等に係る容積率制限の緩和(平成30年9月)
⇒ 共同住宅同様、共用の廊下・階段の床面積は容積率の算定対象外になった。
・密集市街地等の整備改善に向けた規制の合理化 (令和元年6月)
⇒ 延焼防止性能の高い建築物は建蔽率が10%緩和されるようになった。
用途地域や容積率・建蔽率は、試験で出題されやすい箇所でもあります。
リスクは極力排除しておくべき
一級建築士試験は1点が合否を分けることが少なくありません。
ですから、不安要素やリスクは出来るだけ取り除いておくことがベスト。
特に改正が多い法規については、頑張って最新版を揃えましょう!
とここまでは、教える立場からすると模範的で優等生のような回答内容です。
資格学校の人に聞いたら間違いなく同じように言われるでしょう。笑
なぜなら、古い教材を使って良いと言って不合格になったら大変だからです…。
実際問題、古い教材を使って不合格になってしまうリスクはもちろんあります。
でも、労力を惜しまなければそのリスクはほとんどなくすことができるんです。
それにどうしても最新版を入手できない人もいますよね。
そこで!
最新版がなくても合格するために
すべてを最新版にできない場合はどうしたら良いか考えました。
法令集は絶対に最新版!
まず、法令集だけは最新版を買ってください。
他の教材の最新版がなかなか手に入れられないとしても、法令集だけはマストバイです。
特に、令和元年6月に建築基準法の大改正が行われていますので、2020年に受験する人はもう絶対に外せないです。
数年前の法令集なんて使ってたらボロボロ失点するのではないでしょうか…。
有名どころは上記あたりです。
TACが出している法令集はめちゃめちゃオススメ!!
これを使うだけで1~3点くらいは点数が上がると思います。
徹底解説したので読んでみてください^^
テキストは多少古くても可
じゃぁテキストはどうしましょ?
私の実体験で言うと、テキストは最新版じゃなくても大丈夫です。
(5年も10年も前のものはさすがにダメですが、2~3年前は可。)
そう言われるともちろんそうなのですが、実は法規の勉強はテキストメインではありません。
(他の科目もそうっちゃそうですが、法規は特にです。)
テキストは、過去問を解いて解説を読んでも「さっぱり意味が分からん」という場合に該当箇所を読み直す…という感じで使う程度です。
なぜなら、どれだけ隅々までテキストを理解したところで法令集を早く引けるようにはならないから。
模試や実際の試験を受けたことがある人は分かると思うのですが、法規において時間内にすべての問題を解くためにはかなりのスピードが必要です。
でも、最初のうちはなかなかスムーズに引くことができないと思います。
私自身も勉強を始めたばかりの頃は、1問解くのに何十分もかかってました。笑
だから確認程度で使うテキストは必ずしも最新版じゃなくても大丈夫、という理由です。
法令や条文の解説は、実はネットにもたくさん載っているんですよ。
今どきのサイト作成者って本当に親切で、過去問の解説と併せて重要な条文の説明もしてくれていることがほとんど。
ただ、これだとどうしても調べる手間はかかりますから、忙しくてその時間が取れない人は、おとなしく(?)最新版のテキストを買ってください…。
過去問集は人による
ここまで読んでくれたあなたには分かっていただけると思いますが、法規で重要なのは法令集と過去問集です。
つまり、過去問集もできるだけ最新のものが良いということに。
ですがこれはあなたのスキルと余裕次第です。
理由を説明しますね。
法規では、法改正に伴って数年前に出題された選択肢の内容が変わっていることがあります。
(選択肢の内容自体が現行法に対応しなくなっているという意味で、必ずしも答えが変わっているというわけではない。)
最新の過去問集であれば、そのあたりもきちんと修正してくれているので、何も心配することなく問題に取り組めばOK!
余計なことを考えなくて済むので、時間的余裕がない人や自分で調べるのが苦手な人は、最新版を入手するのが安心です。
市販のものであればこのあたりでしょうか。3,000円程度です。
一方、古い過去問集は改正ポイントに気を付ける必要があり、ちょっとやっかい…。
ですが過去問の選択肢で修正が必要な箇所はだいたいネット上でも公開されています。
それを確認し、自分で修正する時間が取れるのであれば、多少は古い過去問集でも問題ないでしょう。
まとめ
最初にお伝えしたように、最新版が手に入る環境であればそうするのが1番です。
が!諸々の事情でそうもいかない場合は、次の優先順位で揃えてもらえればと思います。
- 法令集 ← 絶対に最新版!
- 過去問集 ← 改正箇所を修正するのが面倒なので最新版だと助かる
- テキスト ← あんまり使わないので最新版じゃなくても何とかなる
法規の専門家になるわけではない
もしもあなたが法規の専門家(確認検査機関の人とか)になるのであれば、最新版のテキストを買って隅から隅まで完璧に理解する必要があると思います。
ですが、いま法規を勉強しているのは一級建築士試験に合格するためのはず。
その目的を達成するには、テキストを読み込むのではなく、とにかく法令集をたくさん引くことです。
まだ法規をやり込んでいない人には嘘のように聞こえるかもしれませんが、慣れてくると該当ページを一発で引けるようになりますよ!
法令集を揃えて「いざ勉強開始!」のその前に。
勉強計画はしっかり立てられていますか?
無駄な方向に努力してしまわないように、まずは↓の記事を読んで戦略ある勉強法を考えましょう!
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